「用意する光」「足す光」
今日はあいにくの雨模様。
朝から照明をつけて過ごされている方も多いのではないでしょうか。
こんな休日の雨の日をいつもと違う光で天気を楽しんでみませんか。
ある雑誌の記事を紹介します。
住まいの明かりには、
「用意する光」
「足していく光」
の二種類が存在します。
「用意する光」とは「環境をつくる明かり」
ダウンライト・シーリングライト・ペンダント・シャンデリアなど
建築工事を必要とする生活に必要な明かり。
「足す光」は「フレキシブルな明かり」
フロアランプ・テーブルライト・キャンドルなど
スイッチやマッチを擦るだけで灯すことができる明かり。
この二つを使い、どこを明るくしどこを暗くするのか、
さらに光の方向やバランスを考えます。
ホテルのロビーを思い出してください。
天井には用意する光であるダウンライトがあります。
しかし、その明かりでは全体を明るくしてはおらず、
光の量も絞られています。
その空間には闇ができ、そこにテーブルランプや
フロアライトなどから周辺のソファを照らし、
そこに集う人が読書や語らいを可能にしています。
植物が置かれたコーナーには、アッパーライトが置かれ、
天井や壁に葉影が映し出され、ニュアンスを与えています。
必要な明かりを確保しながら、闇となる部分を残すことで
空間に光から闇へとつながるグラデーションができる。
これがホテルのロビーの魅力を作っています。
ヨーロッパでは、ホテルだけでなく、住宅にも
「光と闇」が取り入れられ、様々な魅力ある光環境を生み出しています。
日本では、多くの場合、「暗い」といわれることを恐れ
「用意する光」を必要以上に配灯しています。
その結果、闇は消え、煌々と明るい平坦な空間が出来上がってしまいます。
陰影の変化を作るために大切なことは、闇を残しておくこと。
そのためにも、「用意する光」は最小限に抑え、
フレキシブルにできる「足す光」を使い闇を演出する。
そうすることで、豊かな光環境を住宅でも実現できます。
今日はあいにくの雨、一度家の光について見直してみてください。
参考文献 I'm home 「Home with the Light」より
東京フォーシーズンズホテル丸の内のロビー
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